前回の続きです。
私は自分を「世間知らずのバカ」だと思っていながら、それを受け入れられないという状態になっています。これにはプライドの高さも大いに関係していると思います。
ですが、前回の記事を書いていて、
「自分が世間知らずのバカであることを認めたら、自分がさんざん嫌っていたタイプの人間と同類であることを認めることになる」
という意識があることに気づきました。
単に「世間知らず」で「バカ」な人が嫌いというわけではなく、そこから連想される人物像が嫌いだったのです。
「世間知らず」、「バカ」から私が連想する人物像はこんな感じです。
・「他人に依存して自立しようとしない人間」
・「頭が悪いせいで、権威のある人から馬鹿にされて蔑ろにされる人間」
一つずつ深掘りしていこうと思います。
まず、「他人に依存して自立しようとしない人間」についてですが、なぜこのタイプの人間を嫌うようになったかというと、理由は2つ考えられます。
一つ目の理由は母です。
母は結婚を機に退職してから、専業主婦を長年やっていました。今は短時間働いています。
で、その母なのですが、父に理不尽な理由で責められることがたびたびあったのです。
とはいえ母は精神的にめちゃくちゃ安定していて父より一枚も二枚も上手なので、その場では冷静にやり過ごし、後で祖母など頼れる人に愚痴を言うことでストレスを発散させていました。
今思うと父は精神的に本当に未熟で、屁理屈で人を攻撃することでしかストレスを発散できなかったんだろうなと思います。子どもだったんですね。
母はそんな父の未熟さがわかっていたから、大人が子どもをなだめるように、冷静な対応を続けてきたんだということが今ならわかります。
ですが、そんな両親の様子を見て私はかなりショックを受けました。
「母は悪いことをしていないのに、そんな風に責めるなんて父はひどい奴だ!許せない!」
「ていうか母も母だよ!なんでこんな理不尽な扱いをされてるのに離婚とか考えないんだ!?私が母の立場なら絶対離婚するんだけど…」
なんて思っていました。
まあ今思えば、母が父と別れなかったのは、たまに理不尽な理由で怒ってくること以外は父にそこまで問題がなかったからだと思います。暴力を振るうこともなかったですし。
(私はガッツリ反抗したので何回かすげえ勢いで怒鳴られた。今でも根に持っている。)
でも、当時の私は
「母が父と別れないのは、母が専業主婦で経済力がないからだ」
と決めつけてしまいました。
(実際、母は生まれ育った家庭が貧乏で、お金のことを気にするような発言がたびたびあったためそういう結論に至ったのです。それに子どもを何人も抱えて離婚するのは現実的に考えてすごくリスキーですしね。)
そして、
「専業主婦で経済的に自立していないと、夫にモラハラまがいのことをされても逃げられないのか…私はこうはなりたくない」
「私は仕事に生きる!専業主婦には絶対ならない!」
と思うようになったのです。
そして高校生の頃なんかは
「私は母のようにはならない!経済力がないからって、男から理不尽に扱われるのに甘んじて支配されるような弱い人間にはなりたくない!!」
とまで思っていました。反抗期。。。
まあ、私は母のような強靭なメンタルは持ち合わせておらず、母とは違うやり方を模索しなければならなかったので、母のやり方を一度否定することは必要だったと思います。
と、そういうことがあって
「他人に経済的に依存することは危険だ」
「私は経済的に自立しなければならない」
と思うようになりました。
そしてそれが拗れて
「他人に依存して自立しようとしない人間はクズだ!」という思いこみまで生まれてしまったのです。
めちゃめちゃ長くなってしまいましたが、これが一つ目の理由です。
二つ目の理由は、小中学生時代の経験によるものです。
(何回もこの時代のエピソードが出ますが、それほど深い傷を負ったことの表れだと思います。)
発端は小学校高学年の頃。精神の発達に伴って、同級生達がグループを作ったり、グループ外の人に対して排他的になったりすることが増えてきたのがきっかけです。
私は当時その感覚が全くわかりませんでした。
「今まで通り、グループとかそんなに気にしないで皆でわいわい仲良くすればいいじゃん」
と思っていました。
ですが周りは変わっていって、中には私や私の友達を嫌ってそれとなく敵意をぶつけてくる人までいました。恨みを買うようなことをした覚えはないので単純に見下されていたのでしょう。
「なんで仲良しの友達には優しくできるくせに、私や私の友達には冷たくするんだろう。自分勝手で意地悪な人達だな。」
と最初に思ったのはこの頃です。
そして、中学時代にクラスで孤立したことでこの考えはさらに加速しました。
「皆自分と仲良しの友達のことしか考えていない!!
友達には優しくできるくせに、そうでない人には平気で無関心になれるし冷酷になれる!!
なんて自分勝手で醜い人達なんだろう!!」
「私は悪くない!!
悪いのは身内でみっともなくつるんでいるあいつらなんだ!!
私はあんな醜い人間にはならない!!」
と思うようになりました。
そして、
「仲良しグループでつるむことも友達に依存することも醜い行為だ」
という思いこみを作り出したのです。
今思うと、本当に辛かったんですね、私…。(泣)
クラスの全員から「どうでもいい人」枠に認定されたような気持ちになって、
私だけ誰にも選ばれなかったことが辛くてたまらなかったんですね。
本当は私だって一人は寂しいから誰かに頼りたかった。
というか、それが可能だという選択肢が欲しかった。
でもそれが叶わなかったのが辛くて仕方がなくて、壊れそうな自分の心を守るために
「正しいのは誰にも頼らず自立している自分だ」
「間違っているのは他人に頼って甘えている動同級生達だ」
と思うようになったんですね…。
…とまあ、二つ目の理由については、こんないきさつで「他人に依存する」ことに対して嫌悪感を覚えるようになったのです。
一つ目の理由では「経済的に依存すること」、
二つ目の理由では「友人に依存すること」
を自分に禁じるようになりました。
なので、高校生時代の私は、意識の上ではめちゃめちゃ自立しようという意志が強かったです。
しかし、大学に入ってから自分の方向性を見失い、自○を考えるほど精神的に追い込まれて今までのように頑張ることができなくなってしまいました。
そして今はすっかり怠惰なニートなわけです(笑)
(精神的には人生で一番落ち着いています)
高校の頃はさっさと家を出るつもりだったのに、未だに実家暮らしだし働きたくないし()で、自立には程遠い状態です。
結局「こうはなるまい」と思っていた自分にまんまとなってしまったんですね。
そんな自分も大分受け入れられるようになっているのですが、それでもまだ抵抗感があって。
「世間知らず」と思われたら、
「いかにも私が何も考えないでお気楽に生きてきてきた奴」
みたいですっごく嫌だ!!
という感情があるのです。
「いや、確かに私はお気楽なところはあるけどさ!!
でも、自○考えるほど辛かった時期だってそこそこ長かったし!!
そこら辺の人よりは遥かに悩んで考えまくってアホほど自己分析して、それでやっとメンタル回復させたんですけど!!
その努力を蔑ろにされたみたいですっげえ嫌!!」
と、反抗したくなるのです。
あれ?
私って依存的だと思われるだけじゃなく、「何も考えてないお気楽な人」って思われるのも嫌なのか…。
まあ、でもそう思うのも仕方がない気もします。
辛い時期が何年もありましたし、どん底の時期からここまで健康的なメンタルを育めたのは、私がめちゃめちゃ努力したからです。(カウンセラーさんのおかげもありますが)
というか、自分でその努力を認められていませんでしたね。。
「お金を稼げているか」、「社会人として自立できているか」といった表面的な所ばかりを見て、まだそれができていない自分を自分自身で蔑んでしまっていました。
でも、もっと自分を評価してあげてもいいんですね…!
すごいよ私…!(また自画自賛笑)
とか考えてたらまた思い付いたのですが、
「世間知らず」と思われると、
「そりゃあ私はまだ自立できてないお子さまかもしれない。
でも私は私なりに色々とチャレンジしてきたのも事実だもん!
農業のボランティアに行ったり、介護の資格とったり、外国に行ったり…
それに料理はそこそこできるし、家事だって母が長期入院した時に一通り覚えた!!
マジで私が何もしてないしできないやつだと思われるのはそれはそれで腹が立つ!!」
という心の声も聞こえるなあと。(笑)
これも、自分を過小評価していることの表れですね。できていることを自分でちゃんと認められたら抵抗感は減ると思います。
グダグタになってしまいましたがまとめると、「世間知らず」と思われたくないのは、
・「世間知らず=依存=タブー」という思い込みがある。
・心の奥底では「本当は自分にもできているところがたくさんある」と思っているので、「世間知らず」と言われると食い違いを感じて否定したくなる。
という原因が考えられるということです。
「バカ」と思われたくない理由も掘り下げたいところですが、長くなってしまったので今回はここまでです。
また次の記事でお会いしましょう♪